フィラリア予防について

フィラリアはわんちゃんの心臓と肺の間に寄生する線状の虫です。フィラリアに感染している犬の血液を吸った蚊が、他のわんちゃんにフィラリアの幼虫を運びます。フィラリアに感染し、治療をしないままにすると、心臓でのフィラリア幼虫が増加し、心臓の働きが悪くなり、それにより死亡してしまいます。
最近は良い駆虫薬が普及し、急速に減少してきた病気ですが、昔はこのフィラリアの感染によって多くのわんちゃんが若くして亡くなっていました。現在都市部でも感染しているわんちゃんがたまにいるので予防は必要です。

予防の方法は、決められた予防期間中1か月に1回駆虫薬を飲むことです。定期的に駆虫薬を飲むことによって、もしフィラリアの幼虫がわんちゃんの体内に入っても、心臓にたどりつき、体に害を及ぼす前に安全に駆除することができます。逆に薬を飲み忘れてしまうとフィラリアが体の中でどんどん大きくなり、薬が効かなくなってしまうので注意が必要です。

この地域の予防期間は5月の初めから12月の中旬までです。
子の予防期間は気温を参考に決めていますので、地域によって異なります。ほかの地域から引っ越しされた場合などは予防期間が変更となる可能性もありますので、ご確認ください。

当院では大きく分けて３種類のお薬があります。

①飲むタイプのお薬　「何でも食べてくれる！」というわんちゃんに。
フィラリア予防予防とノミダニ予防が一緒になったもののほか、フィラリア予防のみのお薬まであります。

②体につけるタイプのお薬　「お薬は飲ませるのが大変！」というわんちゃん。
フィラリア予防とノミ予防は一緒にできますが、残念ながらダニの予防ができません。

③1回の注射で1年予防ができる注射タイプのお薬　「毎月の予防を忘れてしまう！」という方に
毎月の予防をする必要がなく、効果が確実に1年間続きます。そのため、次年度からフィラリアの検査は不要となります。

注意点としては、以下のことが挙げられます。

• 混合ワクチンや狂犬病ワクチンと同様に、副作用が出ることがあります。
• この注射以外にノミダニの予防が必要です。
• 基礎疾患のあるわんちゃんは、副作用が出る可能性が高く、獣医師との相談となります。

また、この注射は予約制となります。
3月の末までにご予約をお願いしております。

最近、ねこちゃんにもフィラリア感染がおこることがわかってきました。それとともに、今まで原因がわからなかった突然死や咳などもフィラリア感染が原因であるという報告がでてきています。そのため、ねこちゃんもフィラリア予防をした方が良いといわれています。ネコちゃんのフィラリア症に関しては、治療も検査も難しいのが現状なので、ノミ駆除を兼ねた定期駆虫をお勧めいたします。
予防法は、ねこちゃんには飲み薬がないため背中に垂らすタイプのお薬を1か月に一回使用します。